
人々の暮らしを支える土木は、
とても幸福な職業です。
松井 希予さん
東京都庁
人々の暮らしを支える土木は、
とても幸福な職業です。
東京都庁
正直にいうと、大学入学当初はあまり土木工学に興味が持てなかったんですよ。この学科にもたまたま入ったような感じでした。そんな時、大学の先生に「家を出たらそこに広がるのはすべて土木の世界なんだよ、道路も何もかも」と教えられ、目の前がガラッと変わったような気がしました。今まで知らなかった土木に俄然興味が湧き、毎日が発見の連続で、勉強も楽しくなってきたんです。もちろんその頃から、将来は土木の世界で活躍したいと考えるようになりました。その先生には今も感謝しています。
大学では下水処理について研究し、卒業後は東京都庁に入庁しました。生まれ故郷ではない東京都を志望したのは、大きな自治体で幅広い仕事が経験でき、都心や奥多摩、島しょなど働くフィールドも多彩なため、挑戦しがいのある職場だと考えたからです。入庁後は下水道局や建設局で工事監督、設計、維持管理業務などを担当。現在は都の政策連携団体である東京都下水道サービスに退職派遣中で、下水道管路施設の維持管理業務に取り組んでいます。ここは大学の生産実習でお世話になった会社で、当時から社員の方が誇りを持って働いている姿に感銘を受けていました。現在も、下水道の利用者である都民の声を直に聞くことができ、さまざまな気づきが得られる魅力的な職場だと思っています。
私が公務員として忘れないようにしているのは、ひとりでは仕事は進まないという点です。一緒に働いているゼネコンやコンサル、現場の方々、都民の皆様ともしっかり対話できないと仕事は始まりません。公務員を志すならその点は大切にしてほしいですね。そして都庁は、女性にもおススメの職場です。性別で何かができないという壁はなく、工事監督など男性の多い仕事も経験できます。公務員土木職のように、人の役に立つ仕事に就けるのは幸せなことだと思うので、ぜひ土木工学科の後輩、女性の後輩がもっと都庁を目指してくれるよう期待しています。
松井 希予さん
静岡県・加藤学園暁秀高校出身。2010年に土木工学科を卒業後、東京都庁に入庁し下水道局や建設局に勤務。現在、東京都下水道サービス株式会社に退職派遣中。