測量学研究室 朝香智仁准教授

宇宙の名医、
土木構造物を健康診断する。

測量学研究室

朝香智仁准教授

山を切り開いた道路や、平地に盛土した道路には、「法面」と呼ばれる人工的な斜面が成されています。当然しっかり護岸されてはいますが、経年による劣化などを放置すると斜面が崩壊。大事故につながる可能性もあります。そこで、比較的大きな道路法面では、5年に一度の目視による法定点検、いわば健康診断が義務づけられています。とはいえ、無数にある道路の法面を一ヶ所ずつ管理するには大変な手間が必要です。測量学研究室の朝香智仁准教授が求めた解決策は、人工衛星による宇宙からの健康診断でした。朝香准教授は、日本の地球観測衛星「だいち2号」が、時期を変えて撮影したレーダー画像を使い、道路法面の変動量(位置のずれ)を、なんとミリ単位で測定。異常な変動を検出することで、危険性の高い法面だけを絞り込もうと考えています。そうすれば点検の手間を減らしつつ、安全性を確保できるようになるわけです。「リモートセンシングによりさまざまな土木構造物の変動量を捉えることができれば、修繕の優先順位を容易につけられるようになるかもしれません」と、朝香准教授はその可能性に大きな期待を寄せています。地上はるか上空の人工衛星が、街や道路を守る名医になる。そんな時代がもう訪れようとしています。

研究室から

リモートセンシングは天気予報など毎日の暮らしに役立っている技術です。皆さんの柔軟な発想で、ぜひ新しい可能性を追究してください。

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