施工計画研究室 佐藤克己教授

検温は脇の下?
いいえ、
マンホールの下ですよ。

施工計画研究室

佐藤克己教授

下水道は、家庭などから出る汚水とそれ以外の雨水を別々の管で集め、それぞれを下水処理場や川・海に運ぶことで、私たちの清潔な暮らしを支えています(これを分流式といいます)。ところが、汚水管が老朽化すると亀裂が生じ、そこから雨水が入り込むこともあるのです。そうなると水量が増えて下水処理場の費用がかさむ上、処理しきれない汚水が海に流出してしまうなど、さまざまな問題が発生します。とはいえ、長大な汚水管のどこから雨水が浸入しているのか、その場所を特定するのは容易なことではありません。そこで施工計画研究室の佐藤克己教授が考えたのは、汚水の「熱」を測ることでした。汚水管の中に温度センサーを設置し、雨水による温度変化を見つけることで、混入箇所を特定しようという研究です。「汚水の温度は生活排水によりつねに変化していますが、大量のデータを集めてAIで解析することで、精度の高い調査が可能になってきました。温度センサーは比較的安価で、無線でデータを取ることもできるため、調査のコスト削減にも役立ちます」と、佐藤教授はいいます。人と同じように検温で健全性を見極める。新しい技術開発が、これからのインフラの管理を強力にサポートしていくことでしょう。

研究室から

「なぜ?」という素朴な疑問は研究心の第一歩です。土木の分野には未だわからないこと、人の役に立てる研究がたくさんあります。

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