河川工学研究室 小田晃教授

軽く見てると、
痛い目にあうわよ。

河川工学研究室

小田晃教授

お風呂にある軽石はカカトのお手入れをするもの。スポンジと間違えて肌をゴシゴシ洗ったら痛い目にあいますよ。なんてノンキな話じゃなく、軽石の危険性のお話です。そもそも軽石とは、地下のマグマが火山から噴出される際に、ガスなどが抜けて穴だらけになった岩石のこと。当然、火山の周辺には大量に存在しています。もし、火山地帯で地滑りなどが発生し、土石流(土砂が水と混ざり、河川を流れ落ちる現象)が生じれば、そこに大量の軽石が混ざることも十分に考えられます。ところが従来知られている土石流は、通常の土砂からなるものばかり。軽石が主役の土石流でどんな現象が起きるか、まだ詳しくはわかっていないのです。河川工学研究室で土石流などを研究する小田晃教授も、その点に大きな懸念を抱いています。「軽石による土石流は、通常よりも流れが高くなることがわかっています。そうすると、今ある河川の護岸や砂防施設では、対応できない可能性もあります」現在、小田教授らは実験を通じ、軽石を含む土石流の特性を解明することで、より安全な砂防施設の基準づくりに役立てようとしています。これまで軽視されてきた軽石のリスクに目を向け、防災体制の充実を図る。それも土木工学の大切な仕事です。

研究室から

土石流など普通で絶対に目撃できない自然現象を再現し、観察できる。私たちの研究や実験には、そんな面白さもあります。

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