構造工学研究室 野口博之助手

日本の橋を、
肉体改造せよ。

構造工学研究室

野口博之助手

河川の橋や高速道路の高架など、毎日たくさんのクルマが通行する道路橋に、ここ10年ほどである異変が増えています。舗装の下にある「床版(しょうばん)」と呼ばれるコンクリート部分に、ひび割れや陥没などの損傷が頻繁に見られるようになってきたというのです。高度成長期に生まれた多くの道路橋は、すでに建設から50年以上が経過。また当時の基準では、現在よりコンクリートは薄く鉄筋の量も少ないため、もともと強度も貧弱です。そこに年々増加するクルマや、大型化したトラックなどが走るわけで、床版の劣化はそろそろ限界を迎えています。とはいえ橋を丸ごと掛け替えることは難しく、通行を長期間止めることも許されません。こうした問題に対し、構造工学研究室の野口助手が提案する解決策は、先端材料などを使った道路橋の補修・補強です。例えば、炭素繊維シートなど床版に貼り付ける工事は、コストも時間もさほどかかりませんが、効果は絶大。床版の強度を約30倍にも高め、マッチョで頼もしい道路橋に生まれ変わらせることができます。橋などのインフラを「どうつくる」から「どう守る」へ。土木技術に求められる役割も、時代とともに変わりつつあるようです。

研究室から

自分の大学院での研究が実際の道路補修に使われた時はとても感激しました。皆さんにもぜひそんな経験をしてほしいと思います。

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