環境工学研究室 南山瑞彦教授

水に流して終わり、
にしないで。

環境工学研究室

南山瑞彦教授

『安全な水とトイレを世界中に』とは、ご存じSDGs17の目標のひとつ。でも、水を毎日『湯水のごとく』消費し、『水に流す』だけの便利なトイレを使う贅沢な日本人は、世界的にも稀な幸福をつい忘れがちです。こうした清潔な生活環境は、トイレのその先、下水道という土木インフラが縁の下で支えています。令和3年の普及率は全国で80.6%※1、都市部ではほぼ100%に達し、今後は新設より維持管理が重要となるインフラです。また、下水の処理には日本の電力の約0.7%が使われ、排出される温室効果ガスも全国の約0.5%に上ることから※2、省エネやカーボンニュートラルなども求められるようになってきました。社会的な期待も集まる一方、下水道の将来に警鐘を鳴らすのは環境工学研究室の南山瑞彦教授。「下水道の担い手である自治体は、人口減などで体力が衰え、人員も予算も乏しくなりがち。一方で汚泥からの資源回収など仕事は増え続けています」など、厳しい現状を語りつつ、「自治体も管理の広域化・共同化など対策を進めていますが、根本的には不足する技術者の育成が重要」と、大学教育の成果に期待を寄せる南山教授。世界に誇るキレイなトイレや下水道を未来に残すため、ドボクから生まれる知恵と人材を、現場は心待ちにしています。

  • ※1)公益財団法人日本下水道協会ホームページより
  • ※2)国土交通省 水管理・国土保全局 下水道部資料より(令和3年6月)

研究室から

土木工学は、インフラを取り巻く課題を解決する学問分野であると思います。研究室でも自分で考える習慣を身につけ、将来インフラの整備・維持に携わってほしいです。

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