構造工学研究室 水口和彦教授

コンクリートも、
塩分が気になるみたい。

構造工学研究室

水口和彦教授

パッと振りかけるだけで、肉や魚はもちろん、スイカまで美味しくしてしまう塩。実はキッチンだけでなく、冬の道路でも大量に散布されていること、ご存じでしたでしょうか。これは凍結防止剤と呼ばれ、路面を凍りにくくすることで、クルマのスリップ事故を予防するもの。問題はこうして散布した塩のいわば副作用です。とくに橋梁や高速道路の高架などの場合、舗装の下にはコンクリート製の床版(しょうばん)がありますが、塩分はその大敵。床版まで塩水が染み込むと、コンクリートがひび割れを起こし、やがて内部の鉄筋も腐食。耐久性がガタ落ちになってしまいます。構造工学研究室の水口和彦教授は、こうした塩害や、凍結により起こる凍害など、コンクリート構造物にダメージを与える現象について研究を行っています。「凍結防止剤の散布自体を止めることはできませんので、塩水の浸透を防ぐための対策を講じたり、定期的な点検を行ったりして、適切にメンテナンスしていくことが重要だと考えます」と、水口教授。日大には国内で唯一、大型車両による床版のダメージを再現できる「輪荷重走行振動疲労試験機」が導入されています。こうした先進設備も活用し、重要なインフラを守るための研究が続いています。

研究室から

土木工学は「市民工学」といわれるほど、日常生活と直結する部分が多い学問。研究の成果が身近で活用されるかもしれないと思うとワクワクしませんか。

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