環境工学研究室 高橋岩仁准教授

がんばれ!
小さなツリガネムシ。

環境工学研究室

高橋岩仁教授

グリム童話には、寝ている間に靴を直してくれる小さな妖精のお話があります。便利だなぁ、わが家にもこないかなぁ、なんて、誰もが一度は想い描いたこともあるでしょう。実は私たち現代人は毎日、ある働き者の妖精さんのお世話になっていること、ご存じでしたでしょうか。彼らは暗い下水管の果てにある汚水処理場にいます。私たちの生活排水をせっせと処理しキレイにしているのが、写真のツリガネムシをはじめとする目に見えない微生物たち。彼らのがんばりなしでは、下水処理も清潔な環境も維持することはできません。そんな微生物の大敵は、下水に混入する塩分です。頻発する水害や高潮などで海水が下水管に流入し、汚水の塩分濃度が上昇。それが微生物の活動を抑制する怖れがあるというのです。そこで、環境工学研究室の高橋岩仁教授は、どのようにすれば塩分濃度の高い下水でも微生物が働いてくれるのか、研究をスタートしました。これまで、塩分濃度2%(海水は約3.4%)でも汚水処理が行える条件を解明。現在は、さらに厳しい条件をクリアすべく研究が続いています。土やコンクリートだけでなく、微生物まで研究相手にする。土木工学の意外な広がりが、こんなところからも見えてくるようです。

研究室から

研究自体も面白いですが、自分の研究が実社会において貢献しているところを想像するとより研究が楽しくなると思います。

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